漢検1級の出題傾向を分析

めぐみ式で何点取れるか?平成29年度で検証

平成28年度第2回の漢検1級に合格してから、1年数ヶ月たちました。

 

あれから再チャレンジは出来ていないものの、漢字辞典と自作ノートはいつも仕事机のすぐそばに置き、たまにパラパラと見返す日々を過ごしていました。

 

そんなある日、とても興味深いお問い合わせを頂きました。

 

  • 過去問4年分だけ、1,770字のみでは足りないのではないか?
  • それだけで通用する回がどれだけあるのか?

 

↑「最近の試験では」という意味を含んでのことだと思います。

 

と言うのも、私が受けた回(平成28年度第2回)の合格率は12.2%ですから、比較的易しい回だったのは事実です。

 

最近の漢検1級合格率

平成26年度 第1回 7.1%
26-2 6.1%
26-3 9.5%
平成27年度 第1回 10.2%
27-2 12.6%
27-3 16.8%
平成28年度 第1回
<検証>
5.2%
28-2
<受験回>
12.2%
28-3 14.5%
平成29年度 第1回
<検証>
5.2%
↑最近は合格率が低い!
29-2
<検証>
4.6%
↑最近は合格率が低い!
29-3
<検証>
5.0%
↑最近は合格率が低い!

 

29年度の第1回では5.2%、第2回は4.6%となっていますから、たしかに難易度が上がったとも言えるでしょう。

 

そこで、めぐみ式のノートに収めた1,770字だけで、難易度の高い最新の試験でも合格は可能だったのか?検証してみることにしました。

 

検証対象は、平成29年度の第1回〜第3回までの3回分と、少し遡りますが同じく合格率が5.2%と低かった平成28年度第1回(※)の計4回分です。

 

※私の勉強ノートには、28-1のデータは含まれていませんので、条件としてはほぼ同じだと思います。

 

検証結果

めぐみ式の自分ノート1,770字とは?

過去問と完全征服、精選演習に出てきたもの、1級配当の四字熟語とその周辺の1級漢字、これらを合わせたものが計1,770字です。

  • 過去問4年分(平成24年〜27年実施分)に出た漢字
  • 完全征服と精選演習に出た漢字
  • 1級配当の四字熟語すべて
  • 上記3点から連想した周辺漢字

 

平成28年度 第1回(合格率5.2%)

全130問/200点満点中
漢検1級出題傾向28-1

 

28-1考察

未勉強の漢字は29個、配当点数にして50点でしたので、過去問+完全征服+四字熟語+周辺漢字の自分ノートだけでは150点止まりです。

 

残念ながら、これでは不合格ですね。

 

しかし!未勉強のうち、1級配当漢字は8個(11点)のみということも分かりました。あとは準1級漢字が5個10点、他は下位級からです。

 

ということは、未勉強だった1級配当漢字を8個すべてマーク出来なくても、準1級漢字の10点をしっかり取れていたら、文字通りギリギリではありますが、合格点160点に到達します。

 

ちょっと言い訳がましいですね(;^_^A

 

平成29年度 第1回(合格率5.2%)

全130問/200点満点中
漢検1級出題傾向29-1

 

29-1考察

未勉強の漢字は31個、配当点数にして49点でしたので、自分ノートだけでは151点止まりです。

 

またしても不合格。

 

未勉強のうち1級漢字は10個(13点)で、うち7個は読み問題でした。

 

あとは準1級漢字が4個で7点、他は下位級からです。

 

平成29年度 第2回(合格率4.6%)

全130問/200点満点中
漢検1級出題傾向29-2

 

29-2考察

当て字と文章題がノートから外れまくりの回でしたが、未勉強の漢字は29個、配当点数にして43点なので、自分ノートだけでも157点まで行けました。

 

しかしやっぱり不合格。

 

未勉強のうち1級漢字は6個(6点)のみで、すべて読み問題、準1級漢字は2個で4点、他は下位級でした。

 

平成29年度 第3回(合格率5.0%)

全130問/200点満点中
漢検1級出題傾向29-3

 

29-3考察

未勉強の漢字は29個、配当点数にして40点、自分ノートだけで160点!

 

やっとデータ上ですが合格です。

 

未勉強のうち1級漢字は10個(14点)、準1級漢字が4個で6点、他は下位級から。

 

まとめ

4回分の分析をしてみて一番驚いたことは、すべての回で「自分ノートで学習した漢字」と「ノーマークで未勉強だった漢字」の割合がほぼ同じだったことです。

 

過去問漢字だけでも約50%、完全征服と精選演習を合わせると、60%近くまで上昇します。

 

それらの周辺漢字を拾っていけば、本番試験の76〜77%を押さえることが出来る、という検証結果となりました。

 

しかし合格ラインは80%ですから、惜しくも自分ノートからだけでは届かない回が多いということも判明です。

 

では合格までのあと数%を獲得するにはどうすればいいのか?自分なりの考えをまとめてみました。

 

自分ノートだけではカバー出来ていなかった!対策は?

狙う漢字の考え方は間違っていないようですので、絞り込んだ漢字から更に関連付けて派生させたり、読み問題の強化ももう少しすべきですね。

 

例えば、これまでは1つの漢字に対して2〜3個の熟語しかピックアップしていませんでしたが、もう1〜2個(下付きも含め)加えてみようかと。

 

そうすれば、加えた熟語からも何かしら繋がりの漢字や熟語が生まれますから、語彙力・知識も無理なく増やせます。

 

それだけでは心許ないので、最新もしくは少し前の過去問から、1級漢字をあと数十個増やすのも効果的かつ簡単な方法でしょう。

 

今回検証をしてみて、未勉強だった1級配当漢字からの出題は、1回の試験につき6〜14個(6〜14点)だったということが分かりましたので、私としては、1,770個の1級配当漢字では少なすぎる、もっと増やさねばならない!というふうには思っていません。

 

ですがもし増やすのであれば、先ほども言ったように、新たな過去問から出題漢字(とそれらの周辺漢字)を追加するのがおすすめであり、むしろそうすべきです。

 

漢検の出題者が考える「重要漢字」をもっと深く学ぶことが良いのではないかな、と感じましたので。