過去問の分析 -漢検1級合格のための勉強法-
過去問の分析と絞り込み
漢検1級に限らず、試験の効果的な対策としてよく言われるのが過去問を使っての勉強法ですが、これをめぐみ式の場合、過去問を分析することから始めます。分析といっても難しいことではなく、ただただ過去の漢検1級試験に出題された漢字をひたすら漢検の漢字辞典に蛍光ペンでマーカーしていくだけの作業です。
しかしこの作業は、単純でありながら侮れないほどの学習効果があります!
早い段階で漢検1級の試験の出題型式に何度も触れることで、どんな問いがどんな順に、どれぐらいのボリュームで出されるのかが分かります。また、頻繁に出くわす漢字は自然と印象にも残りますので、マーカーしているだけなのに、濃密な知識データが苦労なく着実に脳に蓄積されていくんです!
漢検協会の公式ページ最新の過去問(問題例)PDFはコチラ
⇒ http://www.kanken.or.jp/kanken/outline/degree/example.html
過去問分析の学習効果がスゴイ!
過去問にある漢字を、漢字辞典に蛍光マーカーするだけで…
- どんな問いが、どんな順に出てくるのかが分かる
- どの分野が、どれぐらいの量出題されるかが分かる
- 何度も出くわす=頻出漢字が自然と記憶に残る
- 出題者の意図や、漢検1級の出題パターンが見えてくる!
⇒ 過去問分析で分かった「出やすい熟語の構成」とは?
漢検1級の出題数は130問。これを好きな年数分やります。地味な作業ですので、早く次の勉強に入りたくてウズウズしてくると思います。私は過去問を直近4年分=計12回分+精選演習(過去問からの抜粋なので)だけにしました。
完全征服(これの後継本が精選演習)は購入したのが後半だったので、マーカーの対象にはしていません(ステップ4で問題集として使用)が、完全征服もマーカー範囲に含めるとなお安心でしょう。精選演習や過去問とかぶるものも多いので、そんなに大変ではないはずです。
漢検1級の過去問分析のやり方
めぐみ式でいう漢検1級対策のための過去問分析とは、ただ過去問にある漢字を漢字辞典に蛍光ペンでマーカーしていくだけの、単純作業ただ1つです。
使うもの:
漢検1級の過去問は、準1級と抱き合わせになっていますが、使ったのは1級の部分のみで、準1級の方は使いませんでした。最新の過去問なら書店でも購入でき、古い過去問はAmazonで取り寄せられます。
私の場合、過去問は直近4年分(計12回分)だけでしたが、当然データが多ければ多いほど分析の精度は上がります。あと1〜2年分の漢検公式の過去問を追加すると、さらに良いでしょう。
フリクションは間違っても消せるので重宝します!黄色だけで5本は消化しました。
過去問分析という名のマーカー作業
それでは漢検1級の過去問の問い(一)から順に、出題されている漢字をすべて漢字辞典に黄色い蛍光ペンでマーカーしていきましょう!
漢字辞典へ蛍光ペンでマーカーする時のポイント
漢検1級の過去問分析のための、漢字辞典へのマーカーのポイントは6つです。
- 何の分野で出たかを「読み=よ」「書=か」「四」などで記す
- その分野での出題回数も「よ T」のように正の字で書き込む
- 対義語・類義語は、その対の熟語も書き込む
- 四字熟語は、四字熟語辞典にもマーカーする
⇒ 四字熟語辞典へは、全回分を後でまとめると効率がいい
⇒ 四字熟語だけは、過去4年分以上も対象とする - 選択問題で余る=ひっかけ漢字にもマーカーする
⇒ 意味を表す語選択と、四字熟語の解説・意味からの読み - 出題されているものなら、1級配当以外にもマーカーする
上から順に説明していきます。
1.何の分野で出たか 2.何回出たかを記す
何の分野で出たかを「読み=よ」「書=か」「四」など分かるよう記し(ひらがなで時短)その出題回数も「よ T」のように正の字で書き込みます。
3.対義語・類義語は、問題側の熟語にも
対義語・類義語は、問題に書かれている方の熟語(答えじゃない方)も書き込み、その対の方の熟語に使われる漢字のページの方にもマーカーします。1級配当以外であってもです。
たとえば「自儘」の類義語を問われ、答えが「放埓」のとき、漢字辞典でマーカーするのは「自、儘、放、埓」の4ヶ所です。
用例にそのままズバリ出ていれば、用例だけのマーカーでいいでしょう。
自分のやりやすいよう、分かりやすいようにアレンジして下さい。
4.四字熟語は、四字熟語辞典にも
四字熟語は、漢字辞典と四字熟語辞典の両方にマーカーします。出題回数も記しておきましょう。四字熟語辞典の方へマーカーするときは、全回分を後でまとめてマーカーした方が、作業的にも記憶への定着率の面でも、効率がいいです。
ステップ1の四字熟語の勉強法では、1級配当の四字熟語のみに丸を付け、準1級には印をつけませんでしたが、この過去問分析のステップでは、過去に出題されているものなら、準1級などの下位級の四字熟語にもマーカーします。
ちなみに「四字熟語(と過去問)を制すものは、漢検1級を制す!」と思っているので、四字熟語に関してだけは過去4年分だけでなく、平成6年から最新回までを対象とし、過去2回以上出題された四字熟語すべてにマーカーして下さい。
過去問の四字熟語データ(平成6年〜最新回)
ありがたいことに、20年以上もの出題四字熟語データを公開して下さっている、神様のようなお方がいます!下記サイトページ中ほどにある「四字熟語過去問分析表」には、平成6年から最新回のこれまでに「2回以上」出題された四字熟語がすべて記載されているのです!
参考サイト様:日本漢字能力検定1級〜漢字検定1級取得への道のり
5.選択問題で余る=ひっかけ漢字にも
ひっかけに使われた方も「出題されたもの」とみなし、マーカーするのがポイントです。例として「意味を表す熟語を選ぶ問題」だとこんな感じです↓
【過去問題集25年度版第1回より】
3の正答「豺狼」のひっかけとして、チョット似たような意味「きょうゆう(梟雄)」が混じっているのがお分かりでしょうか。この「梟雄」も出題されたものとして受け取り、漢字辞典にシッカリとマーカーするのです。
選択肢が余るような、ひっかけ有りの選択問題は、四字熟語の解説・意味からの読み問題にもあります。惑わされないためには、両方の意味が分かっていなければならないので、出題されたのと同じことなのです。
「意味を表す熟語を選ぶ問題」のひっかけ漢字は、特に頻出熟語である可能性が高いです。読みを見ただけでもどの漢字が当てはまるかは、大体分かるようになってくると思います。もし漢字が分からなくても「〇〇〇(読みをそのままひらがなで) 漢検1級」などのキーワードでネット検索してみると、それっぽいのが出てきます。意味を見れば「これのひっかけに使ったんだな」ということも分かりますよ。
6.マーカーするのは1級配当だけじゃない
1級配当以外の漢字も出題されてたりしますが、それらもマーカーします。
同じように、精選演習も(プラス完全征服も出来ればベスト)蛍光マーカーしていきます。やればやるほど、回を重ねるごとに頻出漢字や出題パターンが見えてきます。
過去問をマーカーすると、出題パターンが見えてくる!
お疲れさまでした!漢検1級の過去問分析はこれで終わりです。単純作業ではありましたが、漢検1級の試験問題は全部で130問ありますので、仮に4年分の計12回分なら、単純計算すると少なくとも1,560個の漢字をマーカーしたことになります。
もし熟語上下ともに1級配当であれば1問に対して2個になり、対義語・類義語の問題側になっている方や、意味からの選択のひっかけも含んだ場合、数はもう少し多くなるかもしれません。
しかしそのうちの何割かは頻出漢字でもあるので、プラスマイナスとなって結果的にはやはり、1,500個前後になるかなと思います。
過去問をひたすら連続的にマーカーすることによって、頻繁に出題されている漢字や、対義語・類義語の出されやすいパターン、余りが出る選択問題のひっかけによく使われる熟語などが、なんとなくでも漢検1級の「出題者の意図」としてつかめたのではないでしょうか。
次はいよいよ勉強ノート作りです!
次のステップでは、これらの濃密データを元に、いよいよ自分ノート作りに取り掛かります。漢検1級の過去問漢字とその周辺の情報を関連付けて、連想ゲーム方式でまとめるのですが、先にこのマーカー作業をしたことで、3,000字以上もある膨大な1級配当漢字の中でも、どれが特に重要なのかが手に取るように分かるようになっています。
勉強ノート作りは2〜3ヶ月ぐらいかかるのですが、手も頭もノンストップでどんどん捗り進みますので、とても楽しい時間となるはずです!