漢検1級に受かる勉強ノートの作り方

自分ノート作り -漢検1級合格のための勉強法-

整理してノートにまとめる(命名:めぐみ式

ステップ2で過去問からすべてマーカーし終えたら、脳に蓄積された濃密な知識データたちを一気に吐き出しましょう!いわゆる「自分ノート」「自分辞書」作りです。

 

【お知らせ 2021/4/15】
実際のノートの全ページをコピーしたものを販売しています!★完売御礼★

 

ステップ1であぶり出した1級配当の四字熟語と、ステップ2で絞り込んだ過去問漢字たちをベースに、関連のある漢字をドンドンつなげてノートにまとめていきます。
関連のある漢字をつなげるというのが、めぐみ式のポイントです。

 

「あ」の漢字から順にバラバラに覚えようとするのではなく、同じ漢字を使った熟語や対義語・類義語、似た形などを、国字や当て字、ことわざ等も含め、とにかく共通点があるものを見つけ、連想ゲーム型式でつなげまとめるのです。

 

効果バツグン!漢検1級の試験で出題率80%以上の最強ノート

このページでは「ここに書かれたことさえすべて覚えられれば、漢検1級に受かる!」という勉強ノートの作り方を説明します。作るのはたった1冊だけです。

 

一般的なB5判のノートは1冊が40枚80ページです。分厚い辞書や何冊もの問題集をぜんぶ覚えろと言われるより、断然ラクだと思いませんか?

 

ちなみに私が受験したとき「めぐみ式(連想ゲーム型式)」で作成したこのノートからの出題率は82.5%もありました。漢検1級の合格ラインは8割160点以上なので、見事一発合格です。この勉強ノート作りには、それほどの効果と威力があるのです!

 

「あ」から順に書き写しているだけでは…

書き写しているだけでは頭に残らないので、3つの工程が必要になってしまいます。

困る

  • 辞書や問題集から、漢字や意味を書き写す
  • ノートに書き写した内容を覚える
  • 忘れないように何度も復習する

 

「ただ単にノートに書き写す時間」と「覚える時間」「復習する時間」を別々に取らなくてはならないので、時間も労力もかかります。

↓

めぐみ式のまとめ方でノートを作ると…

「ノートに書き写した内容を覚える」という1つの工程を省くことができます。

めぐみ式のやり方

  • 「まとめる」と「覚える」が同時にできる!
  • 連想ゲーム方式で、楽しく覚えやすく忘れにくい!
  • 復習はこのノート1冊をたまに見返すだけ!

 

めぐみ式の連想ゲーム方式なら、まとめている段階から強い記憶の連鎖が作られ、復習もこの勉強ノート1冊をパラパラと見返すだけです。

 

これさえ覚えれば受かる!勉強ノートへのまとめ方手順

漢検1級対策のめぐみ式 勉強ノートのまとめ方、つなげ方は以下の通りです。
手順5まで行ったら手順2、もしくは手順1に戻り、その繰り返しです。
「讒諂面諛」を例にして説明しています。

四字熟語辞典から1級配当を1つ選び、ノートに書く
  • ノートに「讒諂面諛」と書きます。
含まれる1級配当を漢字辞典で調べる
  • 讒・諂・諛 の3つなので、まず「讒」を漢字辞典で引きます。
読み、用例、下つきなどを(いくつか選んで)ノートに書く
  • 訓読み(そしる、よこしま)と、過去出の「讒奏」を書きます。
  • 用例からは「讒誣」と「讒謗」を選ぶとして、ノートに書きます。
    ※読み方や用例が多い場合はいくつか選びます。(過去出は必ず)
用例などに対義語・類義語があればそれも書く
  • 讒謗には類義語「誹謗」があるので、これも「=」で書きます。
  • 書き出した漢字には、ノートのページ番号を振ります。
新たな1級配当漢字があれば、そこからまた手順2へ
  • 讒誣の「誣」と讒謗の「謗」も、讒と同じ手順で続けます。
  • 「諂」と「諛」も同じようにして、繰り返します。
  • つながりが途絶えてしまったら、手順1に戻ります。

 

似た形の漢字もまとめて覚えよう!

部首以外のパーツが同じなど、似た形の漢字はまとめて覚えた方が効率がいいです。共通パーツを探すのには、漢字音符字典が役立ちます。
漢字音符字典の効果的な使い方はコチラ

 

たとえば「讒」とよく似た形で部首が違うだけ、右側のパーツが共通するものは他にも「纔、巉」などがあります。「諂」と似ている形では「餡、閻」があり「諛」なら「臾、萸、腴」があります。

 

これらの共通パーツ漢字(主に1級配当)を1つずつ漢字辞典で調べます。過去出であればもちろんノートに書き出しますが、共通パーツのものすべてを勉強ノートに書く必要はありません

 

なんとなく覚えた方がよさそうだな、という自分の感覚でピックアップすればOKです。その感覚はすでに、ステップ1の四字熟語の勉強と、ステップ2の過去問分析で養われているからです。

 

共通パーツ漢字は、音読みも似ていたり同じだったりすることも多いので、似た形を一緒にまとめて勉強することは、読みにも書きにも意味にも強くなり、非常に効率がいいのです!

 

単漢字だけでなく、四字熟語同士でもドンドンつなげよう!

1つ1つの漢字だけではなく、四字熟語辞典の中からも、共通点や関連性のあるものを見つけ、ドンドン結び付けていきましょう。

  • その四字熟語と同じ熟語や1級配当漢字を使うものが、他にないか調べる
    ⇒ 四字熟語辞典の「下二文字から引く索引」から調べたり
    四字熟語エクセルデータを使って調べたり
  • その四字熟語の対義語・類義語があれば、一緒に書く
  • 書きだした四字熟語には、ノートのページ番号を振りる

 

例:諂面罵詈謗=罵詈雑言
  →傾奪=阿諛追従=阿諛便邪智、智術数、醜悪

 

さらに詳しく!漢検1級対策ノートの作り方

これだけでは分かりづらいと思うので、実際に私が作ったノートと辞書の画像などを使い手順1から順に説明していきます。ここでも「讒諂面諛」を例にします。

 

使うもの:

漢検の漢字辞典 四字熟語辞典 漢字音符字典5mm方眼ノート

ノートは普通の横罫よりも、5mm方眼(十字補助線入りじゃないもの)が使いやすいのでおすすめです。大学ノートと同じB5サイズ40枚(80ページ)が1冊あれば大丈夫です。(リンク先は5冊セットです)

 

1級配当の四字熟語をノートに1つ書く

 

漢検の四字熟語辞典から1級配当を1つ選び、ノートに書きます。四字熟語字典の1級配当は○で囲みましたね。「あ」から順にでもいいですが、ここでは「讒諂面諛」を例に手順を説明します。

 

四字熟語字典で、1級配当は○で囲んだので探しやすい

四字熟語字典の1級配当漢字

 

1級配当を、漢字辞典で調べる

 

1級配当は「讒、諂、諛」の3つなので、まずは「讒」から始めましょう。

 

ステップ1の四字熟語の勉強のときに、1級配当が漢字辞典のどこにあるか、該当ページ数を記入したので、分厚い漢字辞典からもすぐに見つけられますね。
(讒…p.594、諂…p.1118、諛…p.1504)

 

漢字辞典のp.594「讒」のページです

漢字辞典p.594

 

読み、用例、下つき熟語などをピックアップ

 

漢検の漢字辞典の「讒」から、読み(※1)や用例、下つきなどをいくつか選んで(※2)書きます。用例や下つきは、必要ないと思えば書かなくてもいいです。

 

※1…読み方がいくつもある場合は、より代表的な意味合いが強いと感じるものや、用例でより多く使われているものだけ選びます。

 

※2…蛍光マーカーの引いてある、過去出はもちろんすべて書きますが、用例すべてを書く必要はありませんし、下つき熟語も重要そうでなければ省きます。なんとなく大事そう、出そうだなと思うものだけをピックアップしましょう。

 

なんとなく出そうな熟語の見分け方は「よく出る熟語の構成」をご覧下さい。

 

用例は二字熟語ばかりでなく、当て字や故事・成語・諺もあります。過去問のほかどれをピックアップするかは、ご自身のセンスでOKです。
漢検1級によく出る熟語の構成も参考にどうぞ。

 

過去問からの熟語「讒奏、讒謗」それから用例より「讒誣」も書いてみるとします。

 

対義語・類義語があれば、それも書き出す

 

「讒謗」の類義語には「誹謗」もあるので「=」でつなげましょう。
もし対義語であれば「⇔」としたりして、ノートにはなるべく文字だけでなく、記号やイラスト、吹き出しなんかも多く使うと、復習のときに見返しやすいですよ。

 

「讒諂面諛」からつなげた、実際のノートです

自分ノート4

 

色は基本的に黒一色(鉛筆)で書きますが、間違いやすい読み方があるものや、逆に読み方に決まった法則があるもの(※3)にだけ、赤ペンを使って目立たせます。

(水色は、私自身が直前期になっても間違いやすかったものに引いただけです)

 

※3…読み方に決まった法則があるものとは、似たような形の漢字をまとめて覚えようとしたときに「このパーツが付く漢字の音読みはすべて同じ」または「1点だけ違う音読み」という漢字です。

 

たとえば「讒」の右側のパーツがつくときは、糸偏の「纔」だけが(サイ)で、あとのみんなは(ザン)読みです。この「纔(サイ)」のように「1点だけ違う音読み」の漢字は、とくによく読み問題として出題されることが多いので、まんまと間違ってしまわないよう、赤ペンで記しておくのです。

 

「讒」の右側のパーツを赤で囲んで、読みを赤字で(ザン)と書き「纔(サイ)以外」と付け足しておけばいいでしょう。

 

もし「このパーツが付く漢字の音読みはすべて同じ」という漢字パーツなら、そのパーツを赤枠で囲み、その読みも赤字で書いておけばそれだけでOKです。

 

漢字を「似た形」でまとめた漢字音符字典

漢字音符字典

漢字を似た形でまとめるのには、漢字音符字典が役立ちます!この字典は漢検1級の読み問題にも特化していて効果バツグンですので、ぜひ購入してください。

 

漢字音符字典の中身はこんな感じになってます。このように「似た形の漢字」で分類されている、ユニークな字典です。

 

漢字音符字典のくわしい役立て方はこちら。⇒ 音読み「3つの法則」で、部首でない方のパーツから推測できる

 

新たな1級配当漢字があれば、また手順2へ

 

「讒誣、讒謗」の中で、新たな1級配当漢字「誣、謗」も出てきました。
これらもそれぞれ、今やったように漢字辞書から読みや用例などを書いてやります。

 

そして「讒謗」を使う四字熟語「罵詈讒謗」も思い出せれば、それと罵詈つながりの「罵詈雑言」も一緒に書いておきましょう。

 

※4…四字熟語の中から、同じ1級配当漢字を使ったものが他にないかを探すには、ステップ1で配布した「1級配当四字熟語リスト(エクセルデータ)」が役立ちます。

 

もちろんこのリストを使わなくても、記憶を頼りに四字熟語辞典から1つずつ探しても構いませんが、少しでも時短したい場合はお使いください。

 

ノートにまとめるときは、1級配当以外でもつなげよう!

指差し

「罵」は2級配当ですが、対義語「罵詈⇔称讃」「嘲罵⇔讃歎」などで過去に出題されています。
ノートは基本的には1級配当を中心としてつなげていきますが、下位級であっても1つずつ漢字辞典を引いて、書きだすべきかをチェックましょう。

 

ここまで「讒諂面諛」の「讒」だけで進んできましたが「諂、諛」それぞれからもつながり広がっていきます。このように手順2〜5を繰り返し、つなげるものが無くなったら、また手順1に戻って四字熟語を1つ選び、進めていきます。

 

漢検1級に受かったときの、実際の私のノート

…とまぁ、こんな具合にドンドンつなげていくのですが、伝わりますでしょうか?
片側1ページで見るとこんな感じです↓(クリックで画像拡大)

 

上部の余白には、学習内容を記しています

27-20…1級配当漢字の数と四字熟語の数(下位級含む)N…ノートのページ番号(連番)
吽・讒・巉・纔・痣 etc…このページに書いた1級配当 6/18…日付

※クリックで画像拡大※

自分ノート2

自分ノートの作り方(↑ページ上部)に戻る

勉強ノートにまとめた1級配当漢字と四字熟語は、それぞれ漢字辞典と四字熟語辞典に、ノートのページ番号Nなどを、忘れず記入しておきましょう。

 

復習するときにノートから見つけ出しやすく、ページ番号が書かれているなら学習済みで、未記入なら未学習、ということも一目瞭然です。

 

見てお分かりかと思いますが、後から後から書き足すことも多いので、終盤はグチャグチャになります。はじめは余白にゆとりを持って書いていった方がいいですよ。

 

「最強の勉強ノート」の完成です!

★ 漢字辞典…マーカーした漢字=過去問と精選演習に出たもの

★ 四字熟語辞典…○で囲まれた四字熟語=1級配当漢字を含むもの

 

以上すべてにノート番号が付いたら、辞書からノートに書き出せたということです。
これで「これさえ覚えれば合格できる!」という、最強の自分ノートの完成です!

 

私の作った勉強ノートは、こんな感じになりました

  • 収録数:1級配当漢字(約3,000個中)→ 計1,770個
     四字熟語 → 計910個(1級868個+下位級42個)
  • 1ページあたり:1級漢字20〜30個、四字熟語10〜15個×80ページ弱
        (普通サイズのノート1冊に収まります)
  • 作成期間:3ヶ月ぐらい

 

自分ノート

驚くべきは、全1級配当漢字の60%未満しか勉強していないのに、そこからの出題率が82.5%もあったことです!
過去問と四字熟語をベースにした絞り込み勉強法は、やはりバツグンに効率が良く、効果が高いのです!

 

漢検1級用の自分ノートのポイント

1級配当漢字は全部で約3,000もありますが、ノートに書き出したのは1,770個だけ、約6割です。それなのに、試験ではこのたった1冊から、82.5%もが出題されていたんです。本当に大事なところだけが、ギュギュッと濃縮されていたということが分かります。

 

渾身の1冊の勉強ノートさえ出来上がれば、あとは見返してマスターするだけ!

そう信じて作り始めたノートでしたが、こうも上手くいくとは…正直、自分でも驚きました。そしてこのノートのおかげで無事、一発合格することが出来たんです。

 

出題範囲がベラボウに広い漢検1級の勉強では、やはり自分ノートや自分辞書つくりというものは避けて通れません。しかしだからといってろくに頭も使わずに、辞書や問題集の1級配当をノートに書き写すだけでは、効果が薄すぎるうえに「まとめたつもり」「勉強した気」になってしまうのも、怖いところです。

 

漢字や熟語を1個1個とバラバラで覚えようとするのではなく、互いに結び付けあい、また色んな角度から何度も頭に入れた方が、より覚えやすく忘れにくいのです。

 

そして大事なのは、配当漢字すべてを覚えようとしないこと!
勉強するところを絞り込み、絞り込んだ箇所だけを完璧にマスターするのです。

 

「絞り込むところ=出題されやすいところ=基礎の基礎+その周辺」です。

 

どうやって絞り込むの?と思った方。今まさに、この勉強ノートを作っていた手順がそれなんです。過去問と四字熟語をベースにした周辺漢字、これこそが「基礎の基礎+その周辺」だったのです。

 

めぐみ式での勉強ノート作りでは、過去問と四字熟語をベースに、その周辺も一緒に、まるで連想ゲームのように結び付けていくまとめ方なので、本当に学ぶべき箇所や、試験に出やすい箇所、出題パターンなども自然と見えてきます。

 

あっちのページ、こっちのページ、あちらの辞典やこちらの字典とグルグル行き来するので、目に入る回数も増え、色んな角度から目や頭に入ってくるので、ノートにまとめているだけで、あえて「覚えよう」「暗記しよう」という時間を取らずともビックリするぐらいちゃんと覚えているんです。

 

自分ノート作りは、頭も手もすこぶる忙しいですが、とても楽しい時間ですよ。
この1冊の勉強ノートさえ出来上がれば、あとは見返してマスターするだけで合格できる!と信じて、最強の自分ノートを仕上げて下さいね。